夕霧千尋の人生日記

大学生→社会人が小説・ゲームその他など自分の好きなことを書き綴ります

グアムの探偵「センターコート@マイクネシアモール」

皆さん。こんにちは!夕霧千尋です。今回はいつも通りグアムの探偵を紹介したいと思います。結果が二転三転するおもしろい話ですよ。

 

センターコート@マイクロネシアモール」
この話は2巻の5話に掲載されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「自由を守るための戦いと言う言葉はハリウッド映画に頻出するため陳腐に思われがちだが、けっして詭弁ではない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

<以下、ネタバレ注意>

 

<あらすじ>
ショッピングモールであるマイクロネシアモールの上半期の集金日が迫ったある日、そのマイクロネシアモールで「ストレイシンズ」というバンドによるライブイベントが行われることになった。イーストマウンテンリサーチ社はマイクロネシアモールの警備課と協力して、警備にあたることになった。ところが、ライブ当日になってライブ主催者の携帯にライブを中止しなければ会場を爆破するという脅迫メールが届いた。このメールの送り主は誰なのか。そして犯人の目的は何なのか。

 

<登場人物>

 

・レイ・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の三代目。ミヨコの依頼を受け、オギルビーから名刺をもらったり、モール中を駆け回るなど爆発物の発見に尽力している。

 

 

・デニス・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の副所長。3人の中では世代的に一番ストレイシンズに詳しい。また、かつて日本人で賑わっていたころのマイクロネシアモールを知っている。レイと共にモールに出向き、爆発物の発見に尽力する。途中、爆発物発見につながる重要な情報を手に入れた。

 

 

・ゲンゾー・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の所長。ミヨコに会うことを気にして柄にもなくオシャレしていたが、息子と孫にそのことを冷やかされ、拗ねてしまった。今回はモールに行かず、事務所に残った。(「年寄りを早く死なせるつもりか」や「西海岸のバンドなど耳が腐る」など散々な文句を垂れていた。)普段から仕事中に抜け出してはマイクロネシアモールに行き、映画館やフードコートを利用していたらしい。

 

 

・アンセルム・クレイニー
イーストマウンテンリサーチ社の所員。彼もまたゲンゾー同様、ミヨコに会うと聞いて緊張しているらしく、お茶くみの役を代わるとレイに言った。レイと共にモールに赴き、警備にあたっている。

 

 

・ロビンス、ナルラ、エイブ
いずれもイーストマウンテンリサーチ社の所員。モールの警備にあたっている。

 

 

・ミヨコ・プレストン
マイクロネシアモールの警備課に勤めるショートヘアで丸顔の24歳。日系人だが、グアム生まれグアム育ち。今回のイベントの保安主任を担っている。イーストマウンテンリサーチ社は普段から依頼を受け、私服でモールの警備にあたることが多かったがその縁でレイ達と知り合った。若くして保安主任に選ばれるだけあり、持ち物のチェック等には余念がない。ライブ開始前に一度巡回に行ったっきり姿が見えなくなり、トランシーバーの呼びかけにも応じないため、レイ達は爆発物の捜索のみならずミヨコの捜索にも駆り出されることになる。

 

 

・オギルビー
レイ達と知り合いの警部。ライブの主催者に脅迫メールが届いたことをレイ達やミヨコに伝えるため、イーストマウンテンリサーチ社を訪ねた。ミヨコが保安主任と知った時はその若さに驚いていた。グアム警察の懐事情により多くの警官をこの事件に割けないことに対し苦い表情をしている。このライブに純日本人の関係者はいないか気にしていた。(日本では会場を爆破するという脅迫状が届けば当然ライブを中止するが、アメリカでは自由を守るための戦いという思想が根付いているため、最大限の警戒はしつつもライブを決行する可能性が高い。警部はこの脅迫状はライブを中止することを目的としたものであり、脅迫状でライブを中止できるという考えを持つ日本人の犯行ではないかと考えたためこんな質問をした。)

 

 

・ベイル・ニコラズ
40過ぎの白人男性。褐色の髪と口ひげを蓄え、黒縁眼鏡をかけている。今回のライブを主宰しているルィトカ社の事業推進本部長。脅迫メールは彼の携帯に届いた。やや怖がりな性格でライブを中止すべきかずっと悩んでいる。(まあ日本では悩む間も無く当然中止だろうが)脅迫メールを送った人物に心当たりはないかと聞かれたが、これまで数多くの人にメールアドレスを記載した名刺を渡しているので相手を絞り込めないと返した。これまでにも何度かストレインズの興行を手掛けたことがある。レイ達がモールの警戒に当たっている最中に突然姿を消した。その後、デニスによって爆発物を会場に持ち込んだのがニコラズ本人ではないかという疑惑が浮上した。

 

 

・バジル
プロレスラーのごとく屈強な男でストレイシズのボディガード。ストレイシズのマネージメント会社クエンティ社の契約社員。ミヨコを探すためにメンバーの楽屋に入ろうとするレイ達を押しとどめ、楽屋は運営スタッフのみが出入りできると説明し続けた。オルギビーが警察のバッジを見せても規則のため、中には入れられないと返した。

 

 

・ストレイシンズのメンバー
今回、モールでライブを行うバンドのメンバー。ライブ直前のため、楽屋にこもって顔を見せない。アーティストにとって舞台や楽屋は聖域と言う理由で運営スタッフ以外の人間をそれらに近づけないよう厳命している。

 

 

・アロハシャツの男性と5歳ほどの少女
アロハシャツの男は30代前半ほどでアジア系の痩せ型。監視カメラに2人の姿が映っていた。監視カメラにはニコラズが会場内で拾ったうさぎのぬいぐるみの忘れ物を届ける姿が映っており(ニコラズは一度はモールの案内所に持っていくために会場の外に出たものの会場にも忘れ物の預り所があることを思い出し、会場の外側から預けたと主張している。)、その後この2人がうさぎのぬいぐるみを受け取りに来ている。さらに2人が会場を出る時、少女が持っているぬいぐるみがぺしゃんこになっていたことからレイやデニスはニコラズが爆弾をぬいぐるみに入れて預り所に預け、それを2人が会場の中側から受け取ることで会場のチェックを逃れ、爆弾を場内に持ち込んだのではないかと推理した。

 

 

<さらなるネタバレ注意>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狙いは金庫だな」

 

 

 

 

 

 


・ベイス・ニコラズ
やはり爆弾を会場内に持ち込んだのも脅迫メールをでっちあげたのもコイツ。そもそもルィトカ社とは三須澤(アロハシャツの男)とその娘(三須澤と一緒にいた少女)とニコラズの3人のみが所属する会社であり、三須澤が所属する指定暴力団生邇会が脱税のため仕入れ費名目で赤字計上にせんとこしらえた実績のないペーパーカンパニーである佳鷹興行の駐在員事務所である。ニコラズもこの会社に雇われたたった一人の人間でたいしてキャリアなどないために受信メールの振り分けができていない点を最初からレイに怪しまれていた。レイやオギルビーに問い詰められ、他に凌ぐ手がなかったため偽の脅迫メールと爆弾を用意したと白状した。実は本物のストレイシズは元々ライブを行う予定だったビーチでなく、ショッピングモールでライブを行うと聞き激怒して帰ってしまったらしい。そこで偽のメンバーを用意し、楽器等を入れたように見せかけた空の積み荷を用意したうえで脅迫メールをでっちあげ、ライブはやむを得ず中止になったと思わせようとした。しかし、グアムではこの程度の脅迫メールでライブは中止にならないのでそのことを見越した三須澤は偽の爆弾を用意してわざと監視カメラに映ることでライブを中止しようとした。しかし、実はこれは三須澤に騙されていたニコラズの考えである。そもそも三須澤はライブなど最初から行う気はなく、楽器の準備もする気はなかった。運営スタッフもグアムの日雇い労働者を安く雇っただけでコストをあまりかけていない。クエンティ社から請求される違約金を差し引いても興行中止保険によって入ってくるお金によって儲けることが目的だった。ニコラズは爆弾を会場内に持ち込んだ実行犯になるだけのスケープゴート同然の役割にされていたのである。

 

・偽ストレイシズのメンバー
三須澤が急遽でっち上げたストレイシズの偽メンバー。正体はグアムの日雇い労働者で本物のストレイシズには全く似ていない。全員が銃を持ち、武装しているが楽屋に入ってきた警察やレイたちによって威圧され抵抗する間もなく拘束された。実は彼らにはただ偽のメンバー演じる以外の役割があるそうなのだが・・・。

 

・三須澤隆(みすざわたかし)とその娘
33歳。指定暴力団生邇会のメンバーでペーパーカンパニー住鷹興行の代表。元々興行中止保険で儲けるつもりでライブを行う気は全くなかった。しかしレイ達は偽の爆発物が場内でみつかりそれが除去されればライブは決行せざるを得なくなるのではないかと不審がっていた。実は三須澤が用意したのは偽物ではなく本物の爆弾。しかも、一旦カメラにうつるように会場内に持ち込んだのち三須澤がこっそり持ち出していた。彼の真の目的はモールのテナント料を収めた金庫の爆破。持ち出した爆弾を無人になった事務室の金庫に設置した。爆弾には盗聴機能も付いており、事務室から声が聞こえなくなり再び無人になったと判断したら金庫を爆破。偽ストレイシズのメンバーにニコラズを撃ち殺させ、金庫の金を楽器を入れたように見せかけた大型トレーラーに積み込んで逃げるつもりだった。目的を察したレイたちは事務室が無人になったとも思われないよう自然な会話を続けながら(自然だったがどうかかなり疑わしい会話もしていたが)爆弾を取り外し、モールの近くのステーキハウスにいた三須澤の下に爆弾を持っていった。自分の近くに爆弾があると気づき、送信機をレイに渡すか悩んでいたが自分の命まで捨てる気にはなれず、爆弾の送信機を渡して逮捕された。そのとき娘も一緒にステーキハウスにいたが、クレイニーによって保護された。

 

・ミヨコ・プレストン
巡回中、楽器等を運ぶ大型トレーラーのタイヤが浮いていたことが気になっていた。(積み荷が軽いと複数あるタイヤのうちいくつかは浮き上がる。そうすることでタイヤの摩耗を抑えるため)そこでドライバーに問いただしても楽器や機材を運んできたとしか答えず、楽屋前にいるバジルに質問したところ捕らえられてしまったが、レイたちによって救出された。事件解決後はモールの経営陣から責任を問われたがゲンゾーがフォローしたことで事なきを得た。その後いつものように巡回の仕事に赴いたがその際ゲンゾーと一緒に歩きだした。

 

・レイ・ヒガシヤマ、デニス・ヒガシヤマ、アンセルム・クレイニー
三須澤の目的を知った後は盗聴器によってこちらの動きをつかまれないよう警備員になりすまして不自然な棒読みながらもなんとか三須澤にこちらの動きを悟られることなく爆弾を三須澤の元まで持っていくことに成功した、その後、クレイニーは三須澤の娘を保護し、デニスとレイは三須澤を脅して送信機を取り上げた。

 

・ゲンゾー・ヒガシヤマ
今回は探偵社に残っていたが、デニスから連絡を受け、爆弾を三須澤の下に運ぶための車を用意した。レイ達が三須澤を騙すために芝居をしていることを知らなかったため、デニスからメモでオフィスにいるような会話をしてくれと指示を受けたときはモールの事務室でなく、探偵社にいるような会話をしてしまった。直後にデニスに訂正され、何とか会話を続けた。事件解決後はミヨコと共にモールの巡回に回った。デニスによるとゲンゾーは孫娘を欲しがっていたらしく若い娘とのデートというよりは孫娘との談笑のようであり、エヴァおばあさんも納得するとレイは語った。

 

それでは皆さん。ごきげんよう