夕霧千尋の人生日記

大学生→社会人が小説・ゲームその他など自分の好きなことを書き綴ります

グアムの探偵「きっかけはフィエスタ・フードコート」

みなさん。こんにちは。夕霧千尋です。いやあ長きに渡ったグアムの探偵シリーズもいよいよ最終回。さてそれでは最後の事件の紹介をしましょう。この事件の最後にはレイにとって大切な人が現れます。

 

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「きっかけはフェイスタ・フードコート」

 

この話は3巻の5話に掲載されている。

 

「罪のないブラフで詐欺師を退けても、自分が嘘つきに堕したことにはならないよ。みずからの心に嘘をつかなければね」

 

以下、ネタバレ注意

 

<あらすじ>
イーストマウンテンリサーチ社に一本の電話がかかってきた。マングローニャという詐欺の常習犯がまた懲りずに日本人相手に詐欺を働いているとのことだった。匿名かつ加工された声で誰がかけてきたかはわからないが、安易に無視することも出来ずレイはマングローニャのアジトの宿に向かう。そこで日本人女性がマングローニャに騙されボラれようといていた。レイが助けに入ったことで事なきを得たが、その女性はその後も悉く詐欺に引っかかり、レイを困らせていた。レイが彼女にグアムに来た理由を問うと、彼女はセシリオ・シロスネスという銀行の取締役に招かれ、ある富豪のご婦人に関することで質問があるらしい。いかにも怪しい話にレイは疑惑を強めたが、銀行に電話したところなんと本物のシロスネスが待っているという。果たして彼女は何のために銀行の取締役に招かれたのか。なぜ一観光客に過ぎない彼女が富豪の夫人と関係を持っているのか?

 

 

<登場人物>

 

・レイ・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の三代目。匿名の電話に誘われてマングローニャに騙されていた梨奈を助ける。その後も彼女の天然っぷりに辟易としつつも彼女に自分の身を守るためのハッタリをかます策を授ける。梨奈がグアムに来た目的を知った時は半信半疑どころか100%詐欺に違いないと思い、マクラミン銀行に連絡を入れたが、意外なことに本当の話だった。正式な依頼を受けたわけではないため料金をもらえるわけではないが、梨奈のボディガード兼通訳として同行することになってしまう。

 

・デニス・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の副所長。詐欺を食い止めに行くレイを買い物同然の軽い口調で送り出す。マクラミン銀行の取り締まりのシロスネスとは知り合い。マクラミン銀行の金庫から書類が発見されたときはゲンゾーと共に会合の場に現れ、書類の内容や事情のあらましについて説明する。

 

・ゲンゾー・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の所長。冒頭では既に二度も警察に捕まっているにも関わらず詐欺を続けるマングローニャに呆れていた。デニスと共に会合の場に姿を現すがデニスに比べ発言は少ない。

 

・マングローニャ
50歳過ぎの白タク詐欺(偽送迎のこと。空港のロビーで出迎えを待つ客を見つけては声をかけ、車に乗せる。客はホテルに送ってもらえると思うが、実際はまるで違う方向に連れていかれ、そこで初めて送迎車でないことを明かす。騙されたのは客が勝手に勘違いしたに過ぎないという態度を貫く。)の常習犯。梨奈に「アウトリガー」に行きたいと言われたため、アウトリガーホテルでなく、船の横についているアウトリガーという翼みたいな突起を見せるために船着き場に向ったという無茶苦茶な理屈で梨奈から75ドルを巻き上げようとしていたところを匿名の電話を頼りにアジトに乗り込んだレイに慌てふためく。二人の仲間は窓から逃げたため捕まえられなかったが、肥満体のマングローニャは走って逃げざるを得ずあっさりレイに捕まった。既に2度も警察に逮捕されており、その際に足を洗うと宣誓書に署名したうえ、同じことを繰り返したら禁錮刑だと書面にサイン済み。にも関わらず同じことを繰り返し、今度はレイに本当に豚箱にブチ込まれかけたが、必死の懇願と、旅行者の梨奈を付き合わせるわけにはいかないというレイの配慮によって見逃された。本人は二度とやる気はなかったが、ある人物に頼まれてやったと語っている。しかし、独身で兄弟もいない彼に頼む人などいないことからレイからバカにされた。

 

・渡邉梨奈(わたなべりな)
23歳。埼玉県から来た。無職で独身、親と同居している。就活では40社以上落されたらしい。二世代ほど古いスマホを所持している。天然なうえにそそっかしい性格で到着早々マングローニャに騙された上にホテルに着いた途端、偽の電話に騙されてクレジットカードの番号を話しかけたり、部屋を訪れた偽客室係にパスポートを渡しかけるなど詐欺の絶好のカモにされている。グアムを平和な楽園と信じている今時珍しいぐらいのおめでたい頭の持ち主。一方でレイに本質的に善人と言われており、表面上弱く見えても心は弱くないからブラフで詐欺師を騙す術を身に付けても悪意ある嘘つきにはならないと言われている。これまでに何回かツアーでグアムを訪れているが、ガイドの説明をあまり聞いていないらしい。今回彼女がグアムを単身で訪れた理由はグアムマクラミン銀行の取締役シロスネスに招かれたから。グアム有数の富豪アルベルダに関する話で呼び出されたらしい。そのどう考えてもありえない話にレイは梨奈がカモ中のカモにされていると不安を露わにするが、彼女は本当にシロスネスに招かれていた。彼女は団体ツアー中にアルベルダと出会った。団体ツアーでも昼食中は自由行動だったため、マイクロネシアモールのフェイスタ・フードコートでピザを食べていた。すると隣に年配の夫人が座った。それがアルベルダだったのだ。日光や浅草の話で盛り上がった二人はその後も連絡先を交換し、ツアーの度に会っていた。そして最後に会った時、アルベルダは梨奈に大事な話をした。貸金庫サービスの金庫の一つの暗証番号である。普通はこのようなものは万が一自分に何かあったときのために身内に伝えておくのだが、アルベルダの妹や甥はハワイにいて疎遠であるため、信頼できる梨奈に番号を預けた。3週間前からアルベルダが失踪したため、彼女に関する重要な情報があると思われる金庫を開錠することになった。そこで暗証番号を知る梨奈が呼ばれたのだ。銀行関係者はもちろん、警察や弁護士立ち合いの下、金庫を開けるとそこにはとある書類があった。その後の会合の場では英語が聞き取れないため、何を話しているかはわからなかったが責任の押し付け合いに紛糾する会議を痛ましい目で見ていた。

 

・ノエミ・アルベルダ
グアム屈指の富豪の婦人。フィリピン系で80代後半、白い巻髪に細面の痩せ形。数年前に夫を亡くして身内も疎遠な独り身である。富豪だが肩ひじ張らない生き方を好み、フードコートでも自分でトレーを運ぶ。富豪故に近づいてくる人物は皆油断ならない人ばかりだが、素直で猜疑心を持たない梨奈はアルベルダにとって天使のように感じられたようだ。そのためフードコートで彼女に話しかけ親交を深めて連絡先を好感した。貸金庫に書類を預ける際、万が一自分に何かあった時のため梨奈に暗証番号を記憶させた。梨奈がグアムを訪れる3週間前(アルベルダが貸金庫に書類を預けた直後)に突如失踪しているが、金庫に書類を預ける更に前、銀行の口座を解約している。富豪というだけあって850万ドルもの大金を預けており、解約されると銀行にとって打撃なため担当の行員が必死の説得したが、結局解約されてしまった。金庫に預けた書類はマクラミン銀行のロゴが入った預金口座明細表に酷似したもので、「銀行創設時に土地を提供したフェリシアーノ家が高金利の預金枠を確保しておりその口座は受け継がれているので選ばれた客にのみそれを提供できる。」という旨が記載されていた。口座名義はアルベルダになっており、マクラミン銀行から850万ドルが引き出されたのと同時期に同じ金額が振り込まれているうえに一日に4657ドルの利息が発生する夢のような口座となっている。もちろんこれは本物っぽく作られただけの偽物でフェリシアーノ家も確かにマクラミン銀行創設時に土地を提供したが、それ以降は銀行との付き合いはないらしい。

 

ボリバル・テヘダ、クラウディオ・ソロサバル
2人ともアルベルダと並ぶグアム屈指の富豪で男性。テヘダは76歳。ソロサバルは78歳。2人ともマクラミン銀行に口座を持っていたが、アルベルダ同様に数週間前に突如解約し、失踪した。テヘダは500万ドル、ソロサバルは600万ドルを預けており、アルベルダと合わせて約2000万ドルが引き出されることになり、銀行総出で引き留めようとしたが結局理由も話さず3人とも解約した。2人は梨奈と面識はないが富豪3人がそろって姿を消すことは偶然ではないと見られている。彼らの失踪についてはあちこちから電話がかかってきてるが相続権の主張ばかりで地主の無事を祈る声はない。物語中盤でアサニッティ湾で高齢男性二人の遺体が発見されたという知らせが舞い込んできたが・・・?

 

・セシリオ・シロスネス
グアムマクラミン銀行の取締役。大口の顧客を一手に束ねている。アルベルダが失踪した件で重要な情報を必要としていたため、梨奈を呼んだ。失踪の真相を一刻も早く知るため、イーストマウンテンリサーチ社に正式に捜査を依頼し、警察に書類を証拠品として押収されないようにした。銀行の重役とあって大口の顧客から信頼される立場のため、偽書類を偽造したのは彼ではないかと疑われ、激怒した。

 

・バシロオ・タルレガ、サラ・トレホ、ベニグノ・キローガ
それぞれテヘダ、ソロサバル、アルベルダの担当についていたマクラミン銀行の行員。タレルガは30代半ばのフィピン系男性。トレホは20代後半のフィリピン系女性。キローガは巨体で猪首のチャモロ系、20代。アルベルダ担当のキローガアルベルダが梨奈に暗証番号を伝える場にも居合わせており、暗証番号は梨奈のみに伝えられたが、キローガの勧めで暗証番号を伝えたという覚え書きを念書し、持ってきた朱肉で梨奈に拇印を押させた。偽書類の件でお互いにお互いの顧客と面識があり、信頼される立場のため、3人とも、特にアルベルダの担当であったキローガは疑われたが、3人ともあくまで否定した。

 

・アダム・バージェス
アガニアショッピングセンターの一見以来久しぶりに登場した警部。鑑識と共に調査を行い、金庫の中の書類が偽物であることやそれが家庭用インクジェットプリンターで印刷可能なことを証明した。偽書類の件に関してアルベルダの担当であったキローガに真っ先に疑いの目を向けるがキローガからは全力で否定された。

 


以下、更なるネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「一年間の殺人事件が十件に満たないグアムでは天変地異に等しいできごとといえる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ボリバル・テヘダ、クラウディオ・ソロサバル
アサニッティ湾で見つかった2人の遺体はやはり彼らであり、死亡したのは2~3週間前。失踪して間もなく殺されたことになる。アルベルダが消息を絶ったタロフォフォとアサニッティ湾は遠くないため、アルベルダの身も心配されるが・・・?

 

 

・ノエミ・アルベルダ
2人の遺体が発見された翌日、新たな情報が入ってきた。なんとアルベルダサイパンの開発事業の投資に手を出し、1000万ドル近い負債を抱えていたという。他の金融機関で借り入れた形跡もないので、銀行から引き出した金額以上の額を返済したことになる。これによって、テヘダとソロサバルを殺害したのはシロスネス達銀行関係者でなく、アルベルダという線が濃厚になった。2人の地主を騙して預金を奪い取ったうえに金庫に偽書類を残すことでアルベルダ自身も騙されたように偽装。1000万ドルを返済し、残り1000万ドルを持って逃亡したのではないかと思われていたが、高齢女性が高齢とはいえ男性二人を相手に殺害できるだろうかという疑問が残っていた。しかし、事態はその日の午後になってまた一変する。なんとアルベルダ自身がタロフォフォ湾で溺死しているのが発見されたのだ。殺された時期は上の二人とほぼ同じ。レイはアルベルダが2人を殺害したうえで罪の意識に耐えられなくなり、自殺した線を疑っていたが新たな人物が犯人の最有力候補に挙げられてしまう。それは・・・。

 

・渡邉梨奈
アルベルダが殺されたことで犯人の最有力候補になった人物。警察からは富豪の高齢女性が見ず知らずの日本人ツアー客と意気投合し、秘密を共有する仲になった経緯を疑われている。防犯カメラの映像はとっくに録画が上書きされて消去済みだった。そのため、梨奈が裏で手を引き、アルベルダを操ったうえで抹殺し、アルベルダの借金1000万ドルを返済したうえで残り1000万ドルを奪って逃走したと思われている。レイは彼女は白タクに騙される程純粋だからそんなハズはないと主張するが、あろうことかマングローニャの件の匿名の電話は梨奈自身のスマホから発信されたものだった。これに対し梨奈はマングローニャのアジトに連れ込まれたとき、スマホを取り上げられて一人がスマホを持ったまま廊下に出たのでそのときに電話をかけ、レイが来る前に返されたと主張。しかし、そのスマホ指紋認証式で梨奈以外には開けられず、発信履歴が残っていた上にボイスチェンジャーアプリがダウンロードされていた。このことから警察は梨奈をほぼアルベルダ達3人を殺した犯人に間違いないと断定し、連行しようとする。それでも本人はあくまで否定するが・・・。

 

・アダム・バージェス
3人の遺体が発見されたことで遺族から詰め寄られ弁護士や記者の攻勢もあってすっかり参っていたが、上のような事情から梨奈を犯人と断定し、連行しようとする。

 

・セシリオ・シロスネス
バージェスから私立探偵への調査依頼は撤回した方がいいと勧められたが当行の信用にかかわる問題のため、安易に結論は出せないととしてバージェス警部から捜査方針を聞き出した。しかし、警察の話を聴くうちに梨奈が犯人という意見はシロスネスの中でも固まっていき、部下の3人と共に梨奈が犯人という意見になった。確かにただの日本人の梨奈が高金利の特別預金枠を進めるのは無理があるが、アルベルダと信頼関係があったなら梨奈が連れてきた誰かを銀行員に仕立て上げることや梨奈自身が銀行員を装うことも可能であり、梨奈が金を奪って3人を殺した疑いを強めていく。

 


以下、本当に更なるネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「嘘つきになるはずがないよ。そういう輩の悲惨な末路をいま目の前で見たんだから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ベニグノ・キローガ
アルベルダの担当で3人を殺した本当の真犯人。アルベルダ失踪後、シロスネスから梨奈を呼ぶこととその日程を聞いていたので、あらかじめマングローニャを雇って偽送迎をさせたうえ、梨奈本人のスマホから匿名の電話をかけさせることで梨奈に自作自演の疑いを生じさせた。指紋認証式の梨奈のスマホを解除できたのはキローガが梨奈に念書をさせる際に拇印を押させていたから。その指紋のコピーを押し付けることでスマホの解除ができる。拇印制度はアメリカでは廃れた方法だが、日本では珍しい方法でもないので違和感なく押させることができる。指紋をコピーしてロックを解除する方法も現在のスマホには使えないが梨奈のスマホは二世代ほど古いので解除可能。キローガがなぜ梨奈のスマホの機種や解除方法を知っていたのかは疑問が残るところだが、おそらくアルベルダが梨奈に暗証番号を伝えた際に確認し、何かに使えると思って拇印を押させたのだろう。元々アルベルダの担当だったキローガは真っ先に疑われる立場であったため、一度自分に疑いの目を向けさせたうえで容疑から外れることで二度と自分に疑いの目が向かない算段だった。そのためアルベルダを殺したうえで彼女の仕業に見せかけるために借金1000万ドルを返済した。しかし、大事な証拠となる偽書類は金庫に預けられてしまっているので暗証番号を知る梨奈こそスケープゴートにふさわしいと考えマングローニャを雇って彼女を襲い、疑いの目を向けさせた。警察がいずれ匿名電話の発信元を突き止めることは確実視できるので、発信元が梨奈自身のスマホと分かった時点で梨奈に疑いの目が向く算段だった。レイに自分の犯行を暴かれ困窮するが決定的な証拠がなかったため、逮捕しきれなかった。しかし、梨奈の一言で自ら犯行を暴露するも同然の行為をしてしまい、逮捕される。

 

・渡邉梨奈
レイの弁護によってキローガに疑いの目が向いたが、決定的な証拠はなかった。そこで梨奈は印刷会社の面接に落ちたときに偶然聞いた知識を口にする。拇印をコピーするために必要なAgIC回路インクカードリッジを使うと一か月はインクが爪の中に残り、ブラックライトに感光すると。仮にキローガの爪にインクが残っていたとしてもそれだけでは決定的な証拠にはならないが疑惑は濃厚になり、警察が捜索差し押さえ状をとって家宅捜索ができる。パソコンとプリンターが押収できればキローガが自宅で偽書類を作っていた決定的な証拠となる。それを聞いたキローガは爪を見せることを全力で拒否し、ナイフを出して逃走を図るという自白同然の行為を行う。しかし、レイに確保されその場に倒れた。実はインクが一月も爪の中に残るというのは真っ赤なうそ。梨奈が自分の身を守り、キローガから決定的な証拠を引き出すためについたブラフだったのだ。詐欺師を倒すために必要だった嘘だが、そのことによって梨奈は自分に自信がついたようだった。レイからも嘘つきの末路を自分の目で見たのだから嘘つきにはならないと励まされた。それから3か月後、なんと彼女は短期就労ビザを獲得し、一か月だけイーストマウンテンリサーチ社に勤務することになった。以前より髪が伸び、メイクが薄くなった姿にレイは一見しただけでは梨奈とわからなかった。就職への第一歩として両親の了解を得てグアムに来たらしい。ゲンゾーからは孫娘の如く可愛がられているようだ。探偵社は嘘つきばかりだから正直者である梨奈を採用したと語っていた。一方梨奈の方もイーストマウンテンリサーチ社に勤める理由はある思いがあるらしい。

 

・セシリオ・シロスネス
梨奈の話を確かめるためブラックライトをキローガの手に当てようとしたが、キローガが全力でそれを拒否したためキローガを犯人と確信し、愕然とした表情になった。

 

・アダム・バージェス
逃走を図ったキローガをレイと共に捕らえ、ブラックライトを当てようとしたが、前述のとおりこれは梨奈のブラフなので意味がないと言われた。バージェスは梨奈の言葉を本当と信じ切っていた様子でゲンゾーから「純粋でうぶだ」と皮肉を言われた。

 

・ゲンゾー・ヒガシヤマ
キローガを追い詰める際に手がブラックライトに反応すれば家宅捜索を行うことができると言ってキローガを追い詰めた。事件後は梨奈を気に入り自分の探偵社で雇うことにした。雇い主としてグアムを案内し、ビーチで遊ぶことを許可するなど可愛がっている。最後にはイーストマウンテンリサーチ社の看板はレイとデニスに支えられていると認めるなどいつになく素直な態度をのぞかせた。

 

・デニス・ヒガシヤマ
キローガを追い詰める際にパソコンとプリンターを押収できれば出力データが消去されていても復元できると脅してキローガを追い詰めた。梨奈がイーストマウンテンリサーチ社に勤務することはレイよりも先に把握しており、彼女が探偵社に勤務することになった経緯を説明した。

 

・レイ・ヒガシヤマ
事件が解決して三か月後、梨奈が以前と全く雰囲気が変わっていること、彼女がイーストマウンテンリサーチ社に勤務することになったことにはずいぶん驚いていた。どうやら梨奈が探偵社に勤務することになった理由はレイの存在が関係しているらしい。これまで世良美月や館川結衣などさんざんチャンスが訪れなかったレイにもようやく春が来たようだ。もっとも本人はまだ梨奈の気持ちに気づいていないようだが・・・。

 

それではみなさん、「グアムの探偵」はこれで終わりになります。次回からまた別のことに関して書いていくのでよろしくお願いします。

 

 

グアムの探偵 3 (角川文庫)

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