夕霧千尋の人生日記

大学生→社会人が小説・ゲームその他など自分の好きなことを書き綴ります

グアムの探偵 「スキューバダイビングの幻想」

みなさんこんにちは、夕霧千尋です。

今回もいつもと同様、グアムの探偵を紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

「スキューバダイビングの幻想」


この話は2巻の1話として掲載されている。

 

 

 

 

 

 

 


「自分をだましてる。おこないを肯定したいばかりに、純愛を信じて酔いしれたがってる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<以下、ネタバレ注意>


<あらすじ>
イーストマウンテンリサーチ社に梅澤という男がやってきた。彼は日本の探偵社に勤めており、追跡対象がグアムにやってくるので尾行を依頼したいという。追跡対象の佩座と言う男は既婚者にもかかわらず、女子大生とデートをしており、女子大生はその見返りに結構な額をもらっているらしい。グアムに着いた佩座を追跡していると女子大生と一緒にさほど有名でもないダイビングスポットに向かった。しかし、海に潜ったはずの佩座がいつまで経ってもあがってこない。やむを得ず、レイは探偵の身分を明かしたうえで沿岸警備隊に捜索をさせるが、佩座の姿はどこにもない。一体佩座はどこに消えたのだろうか。


<登場人物>


・レイ・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の三代目。佩座と女子大生の瑠美を尾行中に佩座を見失うという失態を犯す。その後は瑠美の訴えに応じ、瑠美と共に行動しつつ、佩座の行方を探る。瑠美に対し、佩座に愛情があるのかなどと尋ね、不貞行為の過ちに気付かせようとしている。


・デニス・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の副所長。レイが佩座の行方を見失ったことについてゲンゾーから咎められた時はレイをかばった。


・ゲンゾー・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の所長。レイが佩座の行方を見失ったことを咎めた。


・アンセルム・クレイニー
イーストマウンテンリサーチ社の所員。レイと共に佩座を尾行していたが、見失ってしまった。本来、尾行を二人で行う時は別行動をとるのが原則だが、自分の庭も同然のグアムでは対象を見失う可能性も少なく、動体視力のいいクレイニーを助手席に乗せることでなにかを見過ごすことを防ごうとした。


・梅澤祐樹(うめざわゆうき)
日本の探偵。ミクニ綜合調査会社に勤める。41歳。佩座の奥さんから依頼を受け、佩座の不倫を見張っていたが、佩座がグアムに渡ったため、イーストマウンテンリサーチ社に尾行を依頼した。話の途中で佩座が自宅に帰っていることが発覚した際は慌ててイーストマウンテンリサーチ社に連絡を入れた。


・佩座悠太(はざゆうた)
既婚者にも関わらず、女子大生の瑠美と不倫をしている(そのうえ、瑠美以外に二人愛人候補がいるらしい。)。遊び人らしく、軽薄な雰囲気を漂わせる。自家用車としてフェラーリを所有したり、グアムに1週間旅行し、その間ずっとベンツSLを借りるなど羽振りのよさを感じさせるが、瑠美の髪が乱れることや肌が焼けることを気に留めないなど瑠美のことを考えている様子はない。また、奥さんと離婚したがっているが、財産が折半になることを嫌がるなど奥さんに対する愛情は皆無。佩座のブログにダイビングのCカードを取得した書いてあり、ダイビングやキャンプ、ドライブ、料理、ビリヤード、ピアノ、チェスなど多趣味だが、デニスからは女受けのいい趣味を羅列しているだけと言われた。ムアンバのダイビング中に突如失踪したが、後にいつの間にか日本に帰っていたことが発覚。自宅に帰ると奥さんが別の男と不倫している様子を発見し、激しく怒鳴りつけたうえで、奥さんに依頼の取り消しをさせた。


・枡崎瑠美(ますざきるみ)
佩座悠太と不倫している女子大生。地方から上京し、江戸川区のマンションで一人暮らししている。そのマンションも佩座が借りている。奨学金の返済中と言うこともあり、金銭面で佩座に頼るのもやむをえないことかもしれないと梅澤は言っている。彼女のスマホも佩座が購入し、与えたもので登録も設定もすべて彼が行ったため、ロケーション履歴が佩座のスマホから常時わかるようになっている。佩座が消えた後は彼の身を案じていたが、レイから「彼に愛情はあるのか」「求めていたのは金なのではないか」と問われ、「佩座は優しくて贅沢をさせてくれるいい人で、お互いに求めあっている」と自分の行いを肯定する発言をするが、レイからは割り切れていない様子を看破されている。佩座が日本に帰った後はグアムに置いてけぼりを食らう目に遭った。


・佩座由紀子(はざゆきこ)
佩座悠太の妻。夫の浮気を前から疑っていたが、今回、夫が1週間のグアム出張に行くというのでさすがに怪しみ、探偵社に依頼した。佩座からは光熱費別で月60万の生活費を受け取る専業主婦であり、ぜいたくな暮らしを手放したくないため、佩座に執着している。しかし、探偵に依頼した本当の目的はグアムに出張中の夫の行動を見晴らせ、自分も若い男と不倫するため。日本に帰ってきた佩座にその場面を目撃され、探偵への依頼をキャンセルさせられたうえ、本格的に離婚を切りだされ、慰謝料まで支払う必要が生じたため、梅澤をひどく攻め立てた。夫の不倫を見張らせておきながら自分も不倫に及ぶとは夫婦そろってすさまじい神経である。


・キヨト
ゲンゾーの友達の日系人観光協会の斡旋で仕事をもらい、佩座が消えたダイビングスポットでスキューバダイビングの道具一式を貸し出している。佩座がいなくなった際にレイに佩座の写真を見せられ、この顔を見なかったかときかれたときは全く見ておらず、今日ダイビングをしたのは栗原家の8人だけだと証言した。不倫旅行中のため、瑠美が佩座の素性をなかなか明かさなかったときは訝しんだが、レイの求めに応じ、仕方なく沿岸警備隊に連絡した。


・栗原家
佩座が到着する少し前にダイビングをしていた8人の老若男女。若い夫婦の結婚を祝し、新婚旅行とは別に家族で旅行に繰り出すことになったが、若妻が岩の間に足を挟み、すぐに脱出したものの、若妻がおびえ切ってしまったため、無理に続行しても楽しめないと考え、ダイビングを切り上げた。自分達8人の他にダイビングしていた人物はいないと答えているが・・・?


<以下、更なるネタバレ注意>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「しょうがねえだろ。女が足首を岩に挟んじまって溺れかけやがってよ。助けるしかねえ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

・タダシ・ジョージ
ハガニアのはずれに住んでいる。親が地主で金持ちの道楽もの。客ではないが、キヨトのもとにやってきては掃除の手伝いをしつつ、勝手に遊んでいる。キヨトはレイにほかに客はいなかったかときかれてもタダシを客と認識していなかったため、彼のことを話さなかった。佩座はツイッターでタダシと連絡を取り、体形も年齢も自分と近いと考え、彼に自分の身代わりにダイビングをするよう頼んだ。しかし、岩に足を挟んだ栗原家の若妻を救出し、栗原家に顔がバレてしまった。その後、一家と一緒に談笑しながら歩く姿を瑠美に見られてしまった。瑠美は彼を栗原家の一員と認識したので佩座の身代わりを務めていたことはバレなかったが、その時点で顔を見られたため佩座の身代わりができなくなり、仕方なく佩座との約束を放棄して林を抜け、自分の自宅へ帰った。道楽者だが、佩座との約束を守れないことに責任を感じたり、栗原家の若妻を助けるなどなにかといい奴。

 

・栗原家
ダイビング中に若妻がおぼれた際、実はタダシに助けられていた。何かお礼をしたかったが、タダシが自分のことを話さないでくれと頼んだためそれに従い、レイや瑠美に対しタダシのことを話さなかった。

 

・佩座悠太
上記の通りタダシを自分の身代わりにして、ダイビングさせていた。彼のツイッターを一週間前にフォローし、ダイレクトメッセージでやり取りをしていた。タダシに自分の身代わりをさせていた理由は瑠美に見栄を張るため。彼はブログにダイビングのCカード取得とかいていたが、実際は泳ぐことすらできないカナヅチ。どちらが言い出したのかはわからないが、2人でグアムに行くことになったため、佩座は今更引っ込みがつかなくなった。何とか瑠美を惚れさせたがっていた佩座は瑠美にかっこよく泳ぐ姿を見せようとして、平屋内でこっそりタダシと入れ替わり、タダシを海にダイビングさせた。(この際、ウェットスーツのフードをかぶり、水中メガネを着けていたため、佩座とタダシの区別は全くつかなくなっていた。)しかし、タダシが栗原家の若妻を助けたことで、入れ替わりこそバレなかったものの続行が不可能になった。瑠美が佩座が行方不明になっと騒ぎ出したため、沿岸警備隊も出動したが、その様子を遠くから見ていた佩座は瑠美に全てがバレたと思い、日本に帰国したが、その場で妻の不倫に出くわす。自分を探偵に見張らせていたことに気付いた佩座は依頼をキャンセルさせ、離婚を切り出す。これまで財産の折半を嫌がって佩座は離婚しなかったが、この不倫で妻から慰謝料をとれることになり、十分な財産を持って離婚できる見込みがついたため、離婚を切り出した。もう40代なのに19歳の女子大生を本気で惚れさせようとする姿はレイから中年の悲哀が感じられるが、嘘で塗り固められていてたちが悪いと評された。


・梅澤祐樹
依頼キャンセル後も佩座をしばらく見張っていたが、いつの間にか佩座は家から抜け出していた。そのことをイーストマウンテンリサーチ社に連絡し、自分の不手際を詫びたが、レイからはお互い様と言われた。


・枡崎瑠美
佩座に命令され、依頼が取り消されたのだから証拠の写真を消去してほしいとレイに頼みに来た。その際、佩座は適当な言い訳を並べて自己を正当化したのだろうが、レイからはいまだに佩座のいいなりになっている様子を呆れられた。梅澤の目を盗んで家を飛び出した佩座は全力でグアムに戻ってきた。佩座は妻から慰謝料をもらって離婚することを望んでいたが、瑠美との不倫がバレれば結局自分も慰謝料を請求され、財産は折半になる。写真を消去した今、不倫の明確な証拠を持っているのは瑠美だけなのでその瑠美の口を封じるべく、佩座は戻ってきたのだ。ナイフを持ち、ホテルへ向かう途中だったアンセルムと瑠美を襲撃。アンセルムを気絶させ瑠美を人質にとってレイとデニスの追跡をかわそうとしたが、気絶しているフリをしていたアンセルムの奇襲に遭い、突き飛ばされた。瑠美は解放されたが、突き飛ばされた拍子に近くのプールに佩座は落下。泳げない佩座は足がつくはずのプールで溺れるという滑稽な状態になったが、レイによって助けられた。お金がなかったため、佩座を頼らざるを得なかったという事情がある以上、悪いとも言い切れないがそれでも既婚者と知りながら不倫行為に及んだのは許されることではない。今後はしっかりと反省し、自分の人生について考える必要があると言える。


・佩座夫婦
夫婦そろって不倫するというとんでもない連中。佩座は瑠美をナイフで殺そうとしたため、刑事告訴されるだろうが、佐有里は不貞行為を行っただけなので民事になる。佩座も不貞行為をしていたので慰謝料はほぼ相殺。佩座悠太は懲役刑を食らうだろうから結果としては妻佐有里の方がよい結果になるのだろうか。いずれにしても浅ましい戦いが続きそうである。


・アンセルム・クレイニー
気絶したフリをして佩座を奇襲し、瑠美を救った。レイと並び今回の功労者と言える。


・レイ・ヒガシヤマ
度々、瑠美に不倫の過ちを気付かせようとしていたが上手くいかなかった。しかし佩座に殺されかけたことで瑠美もやっと目が覚めただろう。時間をかけ瑠美の心を落ち着かせる必要がある。


・ゲンゾー・ヒガシヤマ
佩座が本当に海に潜ったのかと指摘したことで、レイが事件の真相に気付くことになった。


・デニス・ヒガシヤマ
レイと共に佩座を追い詰めた。その際、スプリングモーターアーモリーを使用した。

 

 

 

 

それでは皆さん。ごきげんよう

 

グアムの探偵 2 (角川文庫)

グアムの探偵 2 (角川文庫)