夕霧千尋の人生日記

大学生→社会人が小説・ゲームその他など自分の好きなことを書き綴ります

グアムの探偵 ヨハネ・パウロ二世は踊らず


みなさん。こんにちは。 夕霧千尋です。
まだ8月ですが、だいぶ涼しくなりましたね。本日はグアムの探偵のエピソードの一つ「ヨハネ・パウロ二世は踊らず」を紹介します。

 

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ヨハネ・パウロ二世は踊らず」


この話は1巻の4話に掲載されている。ハガニアのスペイン広場にヨハネパウロ二世像がある。かつては時間と共に少しづつ回転していたが、今は回っていない。

 

 

 

 


「幸せは金で買えんといいたがる連中はな、どこで買えばいいか知らんだけだ」

 

 

 

 

 


以下、ネタバレ注意


<あらすじ>
井原哲久は娘の佳奈美と共にグアムでスニーカーのセレクトショップを経営していた。ある日、店に2人組の強盗が押し入り、1万ドルの札束を奪っていった。警察に相談するも警察の動きは積極的ではない。しばらく店を休業しつつ、ロサンゼルスの卸屋との契約を進めていたが、ある日,警察から連格が入る。容疑者の目星がついたが、うち一人は自殺、もう一人は確たる証拠がないため、素性は明かせないという。しかし、警察署からの帰り道、一人の強盗が再び井原親子の前に現れ、「利息は二百ドルにしてやるから一万ドルを用立てろ」と意味の分からないことを言う。彼は銃で佳奈美を殴ったが、近くにいたゲンゾーがキャデラックで向かってきたため、その場を後にした。これまでのいきさつを聴いたヒガシヤマ一家は協力を申し出る。果たして強盗の正体は誰なのか?なぜ二度も百万ドルを要求したのか?


<登場人物>
・レイ・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の三代目。井原親子の話を聴き、デニスと共に親子の警護に当たっていたが、後にデニスに警護を任せ、警察署で警部から情報を聞き出す。

 

・デニス・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の副所長。最初は彼一人で井原親子の警護をするつもりだったが、佳奈美の表情が曇ったのでレイも一緒に警護をすることになる(ゲンゾーは佳奈美が若く溌溂なイケメンを希望しているとひやかした。)。

 

・ゲンゾー・ヒガシヤマ
イーストマウンテンリサーチ社の所長。彼が強盗に襲われている井原親子を目撃したことで、事件に関わっていく。レイと共に警察署を訪れた際は警部の嫌味に対し、歴史の知識を持ち出して反撃した。

 

・井原哲也(いはらてつや)
スニーカーショップを経営する男性。長年連れ添った妻を病気で亡くし、沈みがちな佳奈美を勇気づけようと半分冗談でグアムに移住すると言い出したら佳奈美が明るく笑ったため、移住し、就労ビザを取得して、会社の退職金で開業した。タムニングにあるプレミア・アウトレットの近く、サウス・マリン・コア・ドライブから一本入った道路沿いに小さなテナントを借りている。店名は亡くなった妻の名前からとってユミ。店は閑古鳥が鳴く日が続き、2度も強盗に襲われるという悲惨な目に合う。強盗に襲われた際は体を張って娘を守ろうとする頼りがいを見せるものの、客の前で一万ドルが入った手提げ金庫を開閉したり、ハリボテの監視カメラや未契約の警備会社のステッカーを貼るなど迂闊な面も見られる。(経営に四苦八苦しており、警備にお金をかけられないという事情もあったが)お金が盗まれたこと以上に佳奈美を危険な目に合わせたことに強い責任を感じている。グアム警察の対応の遅さには嘆いていたが、犯人の目星がついたことに一安心していた矢先に2回目の強盗の襲撃を受ける。その後、イーストマウンテンリサーチ社に自身らの身辺警護と事件の解明を依頼する。

 

・井原佳奈美(いはらかなみ)
哲也の娘。母を亡くしてから沈んでいたが、グアムに移住してから明るさを取り戻す。学校が休業中なので父の仕事も手伝っていた。しかし、強盗に襲われてからはナイフを突きつけられたこともあり、震えあがっていた。二度目の襲撃時には銃で殴られ顔にあざを作ってしまった。デニスが身辺警護にあたると聴かされたときはレイの方が良かったのか顔を曇らせた。

 

・オドネル
事件の調査に当たった警部。強盗に襲われた井原に同情するものの、井原が警備会社と契約せずに会社のステッカーを貼ったことを咎めたり、動作が緩慢だったりとイマイチ緊張感が感じられない。レイやゲンゾーに皮肉を口にされた際は、渋りながらも情報を開示した。

 

アルビストン
レンフィールド社の営業担当。井原が自社と契約してないのにネットで買ったステッカーを勝手に貼ったことを咎め、次襲われた時のために自社と本当に契約することを進めるなど商売熱心な性格。

 

・アンジェロ・メンドーサ
強盗の一人と考えられている21歳の男。スラム街に住むフィリピン系の移民。井原の店に強盗が入った次の日に自分の住む小屋で自殺した。その小屋の中に強盗に使われた目出し帽やTシャツがあった。小心者で人付き合いもなかったらしい

 

・ジェローム・バウティスタ
メンドーサの友人で、22歳。未成年の頃に窃盗で逮捕された経験を持つ。住所不定で定職にもついていない。もう一人の強盗犯だと思われるが、強盗のあった時間にビアガーデンで飲んでいたというアリバイを持ち、記録映像が残っている。ただし、店の従業員は正確な時刻を把握しておらず、映像の時刻も操作可能なため、決定的なアリバイとは言えない。映像に既に動かないヨハネ・パウロ二世の像が映っていたことから、バウティスタは像がまだ動くものと勘違いし、自分はアリバイ作りのためにビアガーデンで飲み、別の二人に強盗を行わせたのではないかとレイは推測している。強盗のあった翌日に売春宿からの借金8000ドルを返済している。

 

<以下、さらなるネタバレ注意>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この野郎!初めからそのつもりか。貧しい者どうし支えあおうとかいっときながら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ジョーン・ロイド・アンドラ
強盗の実行犯。不法滞在者でなく、正規のグアム市民だが、義憤に駆られて、貧しいスラム街の住民に手を貸した。(やったことが強盗とはほめられないが)強盗はこいつとメンドーサとバウティスタの三人組で、小心者のメンドーサは小屋を貸しただけで、実行犯はアンドラダとバウティスタの二人。一回目の強盗でまんまと一万ドルをせしめたと思ったが、実は本物の金は札束の一番上と下だけであり、間の98枚は新聞紙でしかも中がくりぬかれ、発信機が挟まっていた。しかも、店はレンフィールド社と契約していたとアンドラダは思っていたため、井原が実際には200ドルしか盗まれていないも関わらず、1万ドル盗まれたと偽って警備会社から不当に補償金を受け取ったと思い込んだ。そこで再び、親子の前に現れ、既に奪った200ドルを利息として、今度こそ1万ドルを受け取ろうとした。しかし、その場から立ち去る際に脅しの言葉つきだったとはいえあろうことかわざわざ強盗に入る時間を予告してしまったため、ヒガシヤマ一家に待ち伏せされ、捕られた上にバウティスタを呼び出す役をやらされる。しかし、その場で彼自身知らなかった真実を明かされることになる。

 

・アンジェロ・メンドーサ
強盗の一味だったが小心者で住んでいる小屋をアジトとして提供しただけだった。しかし、発信機によって自分の住処が突き止められたと思い、気に病んで自殺した。

 

・ジェローム・バウティスタ
もう一人の強盗の実行犯。実は井原は本当に1万ドルを渡していたが、バウティスタがアジトに帰る途中で本物の金と発信機入りの新聞紙を入れ替え、強盗に失敗したように見せかけて、9800ドルを着服した。(しかも発信機も本物ではなく、実際はバウティスタがスラム街の露天商で50セントで買ったカード型メトロノーム)そのメトロノームはすぐ燃やしたが、レイがゴミ山の中からそれを発見し、事件解決に導いた。レイ・ゲンゾー・デニスが真実を明らかにした後、怒ったアンドラダに殺されかけたが、全てを正直に白状すると約束して、命は助けられた。バウティスタとはスペイン語で洗礼を意味する言葉。レイからは悔い改めれば、天国に近づくと言われた。

 

・井原哲也
散々な目にあったが、何とか店の営業を再開。ロサンゼルスの卸問屋と話が付き、最新ブランド品を店に並べることができたため、店は盛況状態。店名をユミにしたことを喜んでいた。

 

・井原佳奈美
こちらも悲惨な目にあったが店の再開には喜んでいた。様々な人種の友達を持ち、人生を謳歌できている。

 

アルビストン
井原の店が再開したと聴き、警備の契約を勧めたが、既に井原はイーストマウンテンリサーチ社と契約していた。

 

・ゲンゾー・ヒガシヤマ
スラム街で証拠を探すために根気よく歩き回る根性を見せる。事件解決後は井原と警備契約を結んだ上に営業方針にアドバイスまでした。

 

・デニス・ヒガシヤマ
レイが依頼人に会う前にスラム街のにおいを消したがっていると聴き、佳奈美に惚れたのではないかと茶化した。また、レイに最近女っ気がないことを気にしている。

 

・レイ・ヒガシヤマ
デニスから最近女っ気がないと言われたときは事務所が忙しいせいだから休みがほしいと切り返した。

 

それでは皆さん。ごきげんよう